ほんとに大切なもの
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ある土曜、J子からメールが届いた。
なんだかしおれている感じがしたので、電話をかけてみた。
J子はこの世の終わりみたいな声をして、どうしよう、と私に言った。
とりあえず行くから待ってて、私は支度をはじめた。
たまご
J子は目線の定まらない様子で私を家にあげた。
リビングの机の上に、「たまひよ」が乗っていた。なぜか、ゆでたまごと一緒に。
子供ができたんだ、おめでとう!!私が言うと、J子はおびえた声で告白した。
「実は、結婚する直前に子供ができたの。結婚する予定だったから、どちらの両親も産んだらっていったんだけど、旦那が体裁が悪いからおろせって、無理やりおろしたの。だから、今度もよろこんでくれるかどうか・・・」
私は机のゆでたまごを机の角で割った。
「私のおなかには卵がいるのに・・・。もしおろせっていわれたら・・・。」
J子はソファでおなかをかかえている。
これは私には解決できない問題だ、ゆでたまごを食べながら思う。
旦那に悪気はなかったのだろう。だが感心できることではない。
それでもJ子の夫でもあるのだ。J子はあまり意志が強くない。旦那に否定されたら産めないだろう。
J子は産みたいんでしょ?確認してみる。産みたい、J子は即答した。
「なら、戦うしかないんじゃない?その卵のためにも」
戦う・・・、J子はぼんやりといった。無理にとはいわないけど、私は目を合わせずゆでたまごをかじった。
ほんとに大切ならね、私の言葉に、J子はうなずいた。
「戦う」
そういったJ子の目は輝いて見えた。