毎日が戦争

なんでそんなケンカするの?

H子の夫婦は毎日が戦争である。

朝起きてケンカして、仕事から帰ってケンカして、食事をしながらケンカして、ケンカしながら寝る。
なんでそんなにケンカするのか、本人たちもわかっていないらしい。
ある日H子と会ったときに、そんなことを言っていた。
結婚するまでは、ケンカなんかしたことなかったのに。
しかも無制限1本勝負らしい。ようするに本気でケンカするわけだ。
ふうん、仲がいいんじゃない?私の言葉にH子はうーんとうなった。

日曜日

ある日曜日、H子から電話が来る。 旦那はケンカしてパチンコへ行き、自分は家の外の公園にいるという。
もう、ダメかもしんない、H子は沈んだ声で言った。
「こんなケンカばかりじゃあ、いごこち悪いにきまってるもん」
それはわかんないでしょ、私は言った。
旦那さんには、理想かもよ、まさか、H子は鼻で笑った。
「誰でも、おだやかで暖かい家庭がいいにきまってるもん」
じゃあ、ためしにそのまま家に帰らないでいてみなよ、私は言った。
電話、つきあうから、H子はうん、とまた沈んだ声で言った。

携帯電話の電池が切れる頃、H子の電話から、走ってくる足音がした。
「あ、旦那だ・・・」
H子がつぶやいた。旦那はH子を探してきたらしい。
なにしてんだ、早く帰るぞ、お菓子取ってきたから、そんな明るい旦那の声がした。
「やっぱり仲いいんだね」
切り際にH子は言った。
「かもね」
やれやれ、夫婦喧嘩はネコも食わないよ、1日つぶされた私は毒付いた。